ロレックス・ファン vol.1
平成8年12月に発行されたワールド・ムックをアマゾンで購入。
1冊丸ごと「バブルバック大研究」です。
巻頭に「ロレックス・ファン宣言」と題して以下の文章から始まります。
どんなアンティーク・ウオッチでも、年代を経たものにはそれなりの趣がある。
しかし同じアンティークでもそれらとは明らかに一線を画するロレックス。
その魅力とは一体なにか?
世界で初めて完成された自動巻き機構を搭載するアンティーク・ロレックスの代表「バブルバック」を
例に挙げて考えてみるといい。
製造されてから長い年月とともに焼けたダイアル、見るものを飽きさせない種類豊富なインデックス、
なかには少し夜光塗料が欠けてしまっているが故に趣をもつハンド。
これらを収める「完全防水」という快挙を為し遂げた、頑丈にしてセンスのよいオイスターケース。
また、優れたデザイン力に関しては、現在でも節々にその模倣をする時計メーカーが
後を立たないことで立証されるであろう。
ほどよく膨らんだケースバック、実用的な意味などまったくもたない、
装飾としてのみ存在するフーデッドなどは、まさに芸術といっても過言ではない。
一度手に触れると、まるで長い年月から目覚めたかのように自動巻きローターが
ギュインギュインと音をたてつつ回転し、ハンドはゆっくりと動き出す。
さまざまな要素が凝縮されたこの小さき精密機械を手に取ると、
10年前いや20年前この時計はどんな時を刻んでいたのだろうか…などとつい思いを馳せてしまう。
そう、われわれの心はたったひとつの時計を織り成すパーツにさえ、いつしか一喜一憂しているのだ。
そして幸運にもその事実に気づいてしまった人はロレックスの虜となり、
否が応うにも自分がロレックス・ファンであると認識せざるを得ないのである。
常に時計を腕につけることで発生する振動を自動巻き機構に活かし、
防水性はオイスターケースとねじ込み式リュウズで補った。
その結果誕生したのがバブルバックである。
腕時計発展に多くの偉業を残してきたロレックス。
しかし現在その本質を本当に理解している人は悲しいことにあまりにも少なすぎる。
ブランドネームだけが勝手に独り歩きを始めているのだ。
この惨惨たる事態に喝を入れるべく「ロレックス・ファン」は、
この小さき精密機械がなぜ世界中の多くの人に注目され、
愛されるのかを解明していくつもりである。
第1回目は、原点に立ち返ってアンティーク・ロレックスの代表格である「バブルバック」を特集。
技術が進歩した故に現代では製造されなくなってしまった、
この不朽の名作に今一度取り組みたいと思っている。
一通り読んでみて、とても参考になりました。
ロレックス・ファン vol.1